基礎工事Q&A:
家を支える「足腰」の秘密 基礎工事って、そもそも何?
家を建てる時、まず最初に行われるのが基礎工事です。これは、建物の重さを地面にしっかり伝えるための土台を作る、とっても大切な工事。人間の体に例えるなら、家をしっかりと支える「足腰」の部分にあたります。この足腰がしっかりしていないと、どんなに立派な家を建てても、傾いたり沈んだりしてしまう可能性があるんです。
基礎にはどんな種類があるの?
主に3つのタイプがあります。土地の状況や建物の種類によって、最適なものが選ばれます。
布基礎(ぬのぎそ):
特徴: 家の壁がくる場所に沿って、逆Tの字のような形をした鉄筋コンクリートの基礎が連続して設けられます。
メリット: 比較的費用を抑えられます。
デメリット: 地面が軟らかい場所だと、家の一部が沈んでしまう「不同沈下(ふどうちんか)」が起こりやすいことがあります。昔からある家によく見られます。
ベタ基礎:
特徴: 家の底面全体を、一枚の厚い鉄筋コンクリートの板で覆うような形をしています。
メリット: 家の重さを広い面で支えるので、不同沈下が起こりにくいです。地面からの湿気が上がってくるのを防いだり、シロアリの侵入を防いだりする効果も期待できます。
現在の主流: 今の木造住宅では、ほとんどの家でこのベタ基礎が採用されています。安心感が高いんです。
独立基礎:
特徴: 家の柱の下に、それぞれ独立したコンクリートの塊を作る基礎です。
用途: 主にカーポートやウッドデッキ、小さな倉庫など、あまり重くない建物の基礎に使われます。普通の家にはあまり使われません。
基礎工事ってどれくらいの期間がかかるの?
建物の大きさや、その日の天気、基礎の種類にもよりますが、だいたい2週間から1ヶ月くらいかかることが多いです。
意外と時間がかかると思うかもしれませんが、この期間をしっかり設けることが、丈夫な家を作るために欠かせません。
基礎工事ってどんな流れで進むの?素人でもわかるように教えて!
基礎工事は、いくつかのステップを踏んで丁寧に進められます。一つ一つの工程がとても重要なんですよ。
1.地縄張り(じなわばり)・遣り方(やりかた):
何をするの?: 最初に、実際に家が建つ位置や形を、地面にロープや木の板で示します。
なんで必要?: これが、家を建てるための「設計図」を地面に描く作業なんです。ここがズレると、家が設計通りに建ちません。
2.根切り(ねぎり):
何をするの?: 重機を使って、基礎を作るために必要な深さまで地面を掘り進めます。
なんで必要?: 基礎を地面に埋めることで、より安定させ、凍結などによる影響を受けにくくするためです。
3.砕石敷き(さいせきじき)・転圧(てんあつ):
何をするの?: 掘った地面に、砕いた石(砕石)を敷き詰めて、専用の機械でギュッギュッと固めます。
なんで必要?: 地面をさらに固くして、基礎が沈み込むのを防ぐためです。
4.防湿シート敷き(ぼうしつシートじき):
何をするの?: 砕石の上に、分厚いビニールのようなシートを敷きます。 なんで必要?: 地面から上がってくる湿気が、基礎や建物に影響を与えないように防ぐためです。湿気はカビや腐食の原因になりますからね。
5.捨てコンクリート打設(すてコンクリートだせつ):
何をするの?: 薄いコンクリートを、地面全体に流し込みます。
なんで必要?: このコンクリートは、基礎自体の強度にはほとんど関係ありません。次の工程で鉄筋を正確に配置するための「基準線」を引いたり、作業をスムーズに進めたりするためのものです。
6.配筋(はいきん):
何をするの?: 鉄筋を設計図通りに組み立て、配置していきます。まるでブロックを組み立てるように、一本一本丁寧に組み上げていきます。
なんで必要?: 鉄筋は、基礎の骨組みとなる部分です。コンクリートは圧縮には強いですが、引っ張る力には弱いので、鉄筋がその弱い部分を補って、基礎全体を丈夫にする役割を果たします。ここが一番の「肝」と言ってもいいかもしれません。
7.型枠組立(かたわくくみたて):
何をするの?: 組み上がった鉄筋の周りに、コンクリートを流し込むための「型」を木材などで作ります。
なんで必要?: これがないと、コンクリートが流れ出して、基礎の形になりません。
8.コンクリート打設(コンクリートだせつ):
何をするの?: 生コンクリートを、ポンプ車などで型枠の中に流し込んでいきます。
なんで必要?: これで、いよいよ基礎の形ができていきます。流し込む際には、コンクリートの中に空気が残らないよう、振動を与えながら均等に行われます。
9.養生(ようじょう):
何をするの?: コンクリートを流し込んだ後、しばらくの間、触らずに固まるのを待ちます。時にはシートで覆ったり、水をかけたりすることもあります。
なんで必要?: コンクリートが十分に強度を持つためには、適切な温度と湿度の中でゆっくりと固まる時間が必要です。急いで次の工程に進むと、強度が不足してしまいます。季節によって養生期間は変わります。
10.型枠解体(かたわくかいたい):
何をするの?: コンクリートがしっかり固まったら、型枠を取り外します。
これで基礎が完成: 美しい基礎の姿が現れます。
基礎工事で特に「ここだけは押さえておきたい!」ってポイントは?
・地盤調査: 家を建てる前に、必ずその土地の地盤の強さを調べる調査が行われます。この結果に基づいて、どんな種類の基礎にするか、地盤を補強する必要があるかなどが決まります。家の安全を守るための、まさに「第一歩」です。
・配筋検査(はいきんけんさ): コンクリートを流し込む前に、組まれた鉄筋が設計図通りに配置されているか、鉄筋と鉄筋の間隔は適切か、太さは合っているかなど、専門家が厳しくチェックします。この検査に合格しないと、次の工程に進めません。
・ コンクリートの品質と養生: どんなに良い鉄筋を使っても、コンクリートの品質が悪かったり、固まるまでの養生が不十分だったりすると、基礎の強度は落ちてしまいます。信頼できる業者に依頼することが大切です。大政興業株式会社まで